感性を伸ばす育て方『シュタイナー教育』おすすめポイントを紹介


ツルさん
ツルさん

我が家には未就学のヒナの鶴が2羽おります。(このキャラ設定をいつまで続けられるか…)

親心として「こどもはのびのびと感性豊かに育てたい」なんて漠然と思ったりします。具体的にどんな風に育てることを言うのでしょうか。

今回はそんな感性を育てることに重点を置いている「シュタイナー教育」という教育思想のお話を少々。概要とおすすめのポイントを紹介したいと思います。
 

感性が豊かとは

そもそも「感性が豊か」とはどういう状態か。感性を辞書で引くと「物事を心に深く感じ取る働き。感受性。」とあります。

つまり「感性が豊か」とは、「ひとつの事柄から多くのことを感じ取ることができる人」のことを指すようです。人間の持つ五感を通して、その物事が持つ意味を色んな角度から捉えることができます。

例えば、「ひとつのりんごがある」時、多くの大人は「赤い」「美味しそう」「食べたい」「甘そう」など、視覚的な情報からりんごについて考えます。感性が豊かな人の場合、見えない情報「生産者の顔や想い」「産地の風景」「夕日に例える」「りんごの表情」など、ひとつのりんごから多くのことをイメージしています。

ツルさん
ツルさん

そもそもワシの感性が乏しいので例えが弱いのな!

なんとなく芸術的なセンスをイメージしがちですが、人の心や空気を読む力であったり、アイデアの創造性など社会の中で生きる中で必要な「人間力」にも通じるものではないかと思っています。
 

豊かな感性は大事

豊かな感性であることの良さがコチラです。

  • 心が豊かで思いやりがある
  • 想像力と創造力がある
  • 言葉から人の心を読める
  • 探求心が強い
  • 集中力が高い

「自分なりに受け取る力」だけでなく、それを「自分なりの方法でアウトプットする力」にも長けている人が多いと言われています。

ツルさん
ツルさん

感性はあっても損はしなさそうですな。ハハッ

シュタイナー教育

そんな感性を豊かにする教育法として、世界7大教育の中のひとつに『シュタイナー教育』というものがあります。哲学者・思想家のルドルフ・シュタイナー (1861-1925) が提唱したもので、『感性を育てる教育』とも呼ばれていています。

「自分の意志で歩める自由な人を育てる」という理念を掲げ、日本国内にもこの教育を取り入れた幼稚園や学校が存在しています。
 

知らなかった人がこれだけを聞くと多少の宗教臭を感じてしまうかもしれません。私もやはり感じました。ただ、調べていくうちに興味深い点も多いことに気が付きました。

 

7年の成長周期

シュタイナー教育では、人間は生まれてから7年ごとに成長の節目を迎えると考えるそうです。0歳から成人するまでを第一期、第二期、第三期に分け、それぞれの成長時期によって重視すべき教育方法を変えていきます。

  • 0-7歳 身体を育てる「意思」
  • 8-14歳 心を育てる「感情」
  • 15-21歳 頭を育てる「思考」

 

0~7歳 身体を育てる時期

幼児期は身体を作ることに重きを置く期間。自分の意志で身体が動くことを知り、良くも悪くも周り(特に親)を模倣しながら丈夫な身体と「意思」を育てます。なんでも吸収する時期なので「接する大人や接する物」に気を配る必要があるそうです。
 

8~14歳 心を育てる時期

感情を豊かに育てるために多くの芸術に触れることを重視する期間。心に多くの芸術的刺激を与えることが必要だとしています。

15~21歳 頭を育てる時期

知力や思考を育て、判断力を養う期間。教科学習の中身も、より深く学べるように変わっていきます。「自我」の現れにより自分という存在を強く認識する時期でもあるので、周囲は「一人の人間」として接することが大切です。
 

この七年周期説はシュタイナー教育の特徴のひとつなんですが、なんだか素敵な考え方だと思いませんか?「知育」や「早期教育」という今主流の教育観には少し違和感を感じていた私にはなおさら響くものでした。

学校には少し抵抗がある

シュタイナー教育の教育機関は普通の公立とは違うので、正直この幼稚園や学校には行かせるのは抵抗があるというのが普通の感覚です。この後に紹介するおすすめポイントを読んでみて考えるのも良いかと思います。進学はしないとしても、家庭でも取り入れられる部分を良いところ取りしちゃいましょう。
 

おすすめポイント

この教育の特徴の中から心に響いた内容をいくつか紹介したいと思います。

身体を動かす遊びや体験が多い

特に幼児期は手足を多く動かし、筋骨や内臓を丈夫にする必要があり、さらに「自分の身体を思い通りに動かす」体験が「意思」を育てるそうです。

身体を多く動かすような体験を意識的に与えてあげるのも親の仕事です。

幼児期は刺激を与えすぎない

シュタイナー教育では、テレビやゲーム、キャラクターおもちゃなどの遊びを禁じるそうです。吸収力が高いからこそ、多くの刺激を与えない方が良いと考え、木の実や貝殻、木製おもちゃなどで遊びます。また、カーテンの色や家具の材質も淡く暖かいものを使用します。

キャラクター大好き我が家では手遅れですが、オーガニック素材って何がいいの?という長年の疑問へのベストアンサーでした。

教育は真似から始まる

お片付けやお着換えなどのしつけ。理解や記憶の力が未熟なうちは言葉で言うよりも、一緒に楽しくやることが大切だといいます。

時間がかかる方法とはいえ、せかせかするのは確かに豊かではないなと感じます。同時に、良き見本にならねばと身が引き締まる内容です。

自分の教科書を作る

シュタイナー教育の学校では「エポック授業」と呼ばれる授業が行われています。毎朝100分間の時間を使い、国語、数学、地理や理科などから1つの教科を数週間続けて学ぶそうです。

この授業は教科書を使用せず、学んだことを「エポックノート」という白紙のノートにまとめて自分の教科書を作り上げます。

大人になって思うのは、ノートの取り方って教わったことないなと。聴く力、想像力、表現力など色々な効果がありそうなこの手法には期待しかありません。

授業ではないにしても、自分だけの教科書を作るというエッセンスを家庭の教育にも取り入れてみたいものです。

点数評価をしない

シュタイナー教育には点数を付けて評価をする考え方がないため、理解を確認するための学力テストは行なわないそうです。

「人の価値を点数で評価するな」なんて中二のツルさん。点数にこだわりすぎる教育はほどほどにしたいと思ったり思わなかったり。
 

否定的な意見もある

子どもがのびのびと育つ、という考え方がある半面、一般の教育に比べると勉強の進度が遅れてしまう。

テレビを見せない、キャラクターものを避けるなどの考えは現代の社会ではなかなか難しい。ルールを厳しく守ろうとするあまり、子ども本来の姿や成長に気づかなくなってしまったり、周囲から孤立してしまったりする恐れがある。

柔軟な生き方を身につける子どもが多いため、他の教育を受けた子どもと比べると、協調性が育ちにくく、人に合わせることが苦手な子になる。

おわりに

将来どんな大人になってもらいたいかと考えた時、色々な理想が目に浮かびます。いずれにせよ、「身体」「心」「頭」のバランスはどんな状況においても重要ではないでしょうか。

働き方に変化が生まれつつある世の中、自由な生き方を自分で切り開く力が求められています。シュタイナーの考え方が一般的になる日が来るかもしれませんね。

とりあえず我が家は「良いところ取り」を信念に頑張ります。