こどもを勉強好きにする方法『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』


最近、kindle(電子書籍リーダー)で読書を始めたツルさんです。子育てと勉強について、興味深い本との出会いがありましたので紹介したいと思います。

東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?
著:富永雄介

ツルさん
ツルさん

毎晩のようにエビカニクスダンスで踊り狂う我が家とは違うんだろうなぁ。

学歴コンプレックス

学歴コンプレックスという言葉があります。最終学歴や、出身校、学科など、「学歴」という尺度で他人と自分を比較した時に生まれる劣等感のことです。

私自身もまさにそれで、脳裏には常に「自分は頭が悪いから」という思いが存在しています。学生時代に好きなことばかりを優先してきた代償なのでしょうか。

「学歴が高いからと言って必ずしも幸せな人生が送れるわけではない」多くの方が述べていますし頭でも理解はしています。けれど就職先の選択肢や平均年収、一般教養など、様々な場面で引け目を感じるのも事実です。

そんな私も結婚をしてこどもを授かることがができ、裕福ではないながらも幸せに暮らしていますが、その引け目は当然子育てにも向いてしまいます。

愛するわが子には豊かな人生を送ってもらいたい。自分のように学歴が低いせいで苦労させたくない。頭の良い子に育ててあげたい」そう思うわけです。

とは言うものの、過度な習い事や勉強の強要はよろしくないことはなんとなくイメージできます。じゃあどうするか、『勉強を好きになってもらえば良い』という答えが出ますね。なるほどなるほど。

ですが問題はその先で、こどもに勉強を好きになってもらう方法なんて分からんのです。それもそのはずです。

ワシは勉強好きじゃねぇんだった

様々な事情で学歴コンプレックスを持った方がおられるかと思いますが、私の場合は完全に自分の責任です。やり直したいものですね。

今回紹介する本はそんな学歴コンプレックスに悩む子育て中の親にもぜひ読んでもらいたい1冊だと思っております。あなたの心が少し軽くなるかもしれません。

「東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?」ってどんな本

著者は、進学塾VAMOS代表 富永雄介さん

東京都内に展開している学習塾VAMOSの塾長を務める富永雄介さんによる著書、分かりやすくタイトル通りの内容です。

主に中学受験に力をいれているこの塾は、入塾テストを行わず、先着順で入塾できるにも関わらず難関校の合格率も高いそうです。確固たる独自の教育理論があるのだと伺えます。そんな塾長が、数多くのヒアリングと自らが教育するなかで感じ取った「東大生を育てた家庭の様子や習慣」をまとめています。

中学受験を主としている塾ということもあり、幼年期から小学生のこどもを持つ親に向けている著書という印象が強いです。東大生を育てるハウツー本というよりは、頭の良い子はこういう環境で育ちやすいという内容の本で、難しい単語も一切でてきません。どうか東大という文字に怯えないでいただきたいと思います。

東大生を育てる親は家の中で何をしているのか? 著:富永雄介
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心に響いた言葉を紹介

たとえばテストの点が60点だった場合。伸びる子の親は「60点が取れた」という見方をします。伸び悩む子の親は「なぜ40点も失点したのか」とできなかった理由ばかり探すのです。

これを聞いてハッとする人も多いのではないでしょうか。東大生を育てる親はほぼ例外なく褒め上手なのだそうです。こどもって報酬をもらって仕事をする社会人じゃないんですよね。大人になると、間違いばかりを気にしてしまう癖がついているような気がします。

80点の壁、努力の甲斐あって85点を取ったこどもに対してある親御さんはこう言ったのです。「よく頑張ったね。さあ、これで90点を目指す準備ができたじゃない!」

「いやいや鬼畜か!!」と学の無い私は思わず声を発してしまいましたが、こどもを伸ばす親はこういった魔法の言葉を使うのですね。褒めながら尻を叩くとでも言いましょうか。こどもに「いやいやあんた鬼畜か!!」と突っ込まれたらそれはそれで面白いですけど。

伸びるこどもは総じて負けず嫌いです。
負けず嫌いの子は、「勝つ喜び」「できる喜び」を知っている。同時に「負ける悔しさ」「失敗する悔しさ」を知っている。

  • 負けの経験を十分に積ませよ
  • 「負け」を「勝ち」に変える成功体験を積ませよ
  • スポーツやゲームの勝負を日常に取り入れよ
  • 親は手加減をするな
  • 努力次第でこどもが勝てる可能性があるものを選べ
  • 勝つためにどうするか考えさせろ

こどもに自立心を身につけさせたいなら、その舞台となるのは家庭です。甘えようと思えば甘えられる環境の中で育つのが、本当の意味での自立なのです。

外ではちゃんとしているのに、家だとだらしないという人は大人でも多い。甘い環境下で自身や身の回りを律することができれば本物なのでしょう。自分がやった方が速いからと、着替えや片付けをこどもの代わりにしてしまう親って意外と多いですよね。あ、うちだ。

本を読んで欲しいと思うのなら、本は与えるのではなく、読みたいものをこども自身に選ばせるべきです。他人の価値観で選ばれた本にこどもが興味を持つ可能性は高くありません。

「どっちでもいい」「何でもいい」と答える子のご家庭には共通点があります。それは、休日を大人主導で過ごしているということ。これは、こどもにとっては完全に受け身の過ごし方です。

「決められない」こどもが増えているそうです。誰かの提案に従うだけではいわゆる指示待ち人間を生み出す恐れがありますね。受け身が習慣になると、勉強に対しても受動的になってしまいます。本来勉強とは自分の為にする能動的なものですよね。今、私の心にグサグサと刺さっています。

「続ける=ツラい」を刷り込まない。小さい頃に積ませておきたいのは、「続けられる」という成功体験です。

伸びる子を育てる家庭には様々な習慣があります。習慣というのは強制されなくても続けられること。小さい頃に「続けられる」という成功体験を多く積ませて欲しいと述べられています。

おすすめは、毎日5分間のドリル。漢字でも計算でもなんでも良く、複数冊からその日に選ぶのでも構いません。続けることを最優先とし、その子が必ず解けるレベルであることがポイントなのだそうです。継続力さえつけば、時間や難度に少しずつ負荷をかけることもできます。

リビングテーブルに地球儀を置いたり、冷蔵庫の扉に四字熟語を貼ったりと、家の中に自然と勉強に繋がるような工夫をほどこすことも重要だと書かれています。

何かに集中したことがないという弊害は、週に1回ゲームをすることによる悪影響より、はるかに大きいのです。

問答無用でゲームを与えないという家庭もあるようですが、こどもが持つ無限の可能性の芽を摘んでしまうのならよろしくないのかなと思っています。奪う代わりに与えているものはあるのか、それにはそれほど大きな価値があるのだろうか。

第三者を交えた非日常的な空間で彼を叱ろうとしたのは、それがどれだけ重大な過ちなのかを理解させたかったからなのです。

わが子がいじめに加担したという事実を知った親が、あえて第三者(この例では塾長)を交えて徹底的に叱ったというお話です。当然、人間としての間違いは徹底的に叱るべきですが、あえて人前で叱るという発想はありませんでした。

「こどもを人前で叱るのはこどもの自尊心を大きく傷つけるから気をつけよう」そう強く意識していたくらいです。

この項では、第三者を交えることで、それがどれだけ重大な過ちかを理解させる意図があると説明しています。家庭の中でいくら叱っても、単なる「家庭のルール」と認識されてしまう恐れがあるからです。

おわりに

良いフレーズをいくつか紹介しましたが、貼った付箋の数が多く、選ぶのに苦労しました。私にとって収穫の多い本だったと思います。

我が家で3歳の娘と毎日ドリルを始めてみました。まだまだ読み書きができる段階ではないので、点つなぎや間違い探しといった幼児向けのドリルを数冊用意して、1日に2~3ページずつ進めています。

はじめてのおけいこノート
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本人にとっては遊んでいる感覚のようで、「パパ今日も勉強しよう!」と急かされるようになりました。このまま継続をして、勉強は苦しくないと育ってくれることを期待したいと思っております。

各家庭、各こどもにとって一番合う勉強方法というのは違いますが、何かに打ち込むことの素晴らしさを教えてあげられることが一番なんじゃないかとも感じています。良き見本で居ることも忘れずにいたいものです。